工業高校のイケメン達に愛されて【下】
う…ここまで来ちゃったら入らなきゃ…立ち止まってるわけにもいかない。
カラカラ…と控えめに教室の扉を開ける。
チラリ…と覗き込むように教室の様子を伺った。
「…っ!」
あたしは息を呑んだ。
すでにみんなも、コスプレ衣装に着替えていて…それがとても似合っていたからだ。
「あ、緋奈ちゃん!」
あたしを呼んでくれた坂口くん。
相葉くんと滝本くんの3人で、黒のタキシードのコスプレに身を包んでいる。
か、かっこいい…、かっこよすぎる。
すごく、似合ってる。
あたしのコスプレ姿がさらに霞んで見えるよ。
自信なさげに俯いて、スカートの裾を両手で握りしめて、3人の元へ向かった。
「お、おまえ…っ」
「…?」
なぜか目を見開いた相葉くんがそう言ってあたしを見下ろす。
滝本くんと坂口くんも、口を開けてポカンとしている。
…みんなのこの反応は、やっぱり似合ってない?