工業高校のイケメン達に愛されて【下】



「…おーいお前ら、そんなとこで固まってないでかわいいって褒めてあげればいいのに。」



あたしの後ろから坂口くんが歯を出してにっと笑いながら茶化すように2人にそう言った。


…2人はそんなふうに思ってくれているというより、ただただ呆気に取られて固まっているような、そんな感じに見えるけど…?


やっぱり2人にとってはあたしにこの衣装は似合わないってことなんじゃ…?



「ふ、ふんっ俺便所!」


「あ、優介!」



タキシード姿の滝本くんは、そう言って坂口くんが呼ぶ声に反応せずどすどすと歩いて教室から出て行った。



「まったく、優介は…」


「坂口くん、あたしは大丈夫だから!ありがとう。」



あたしの目の前に立ち尽くす相葉くんに視線をうつした。


…相葉くんに、似合うって言って欲しいな。


ってあれ…今あたしなんてことを…?!


いやいやいや、そんなのおこがましい!!


坂口くんに褒めてもらったからって、調子乗るな、あたし!!!


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