工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「中村…」
あたしを呼ぶ相葉くんの低い声にどきっとした。
そのせいで、上ずった声を発してしまった。
「はっ、はい!」
相葉くんを見上げると、顔はやっぱりなんか赤くて。
そして、黒のタキシード姿がかっこよくていつもより大人っぽくて。
ワイシャツの第一ボタンは開けていて胸元が開いていてなんていうか…セクシー。
対して坂口くんは、黒のタキシードは同じだけどワイシャツのボタンは全部留めていて赤の蝶ネクタイを身につけている。
あたしが相葉くんを見上げ、視線が交わったけど相葉くんはフイっと視線をずらした。
何か言いたげに、でもきゅっと唇を噛み締めている。
「相葉くん?」
「あ、あー…その、お前のその格好…に、似合ってる。」
「…。」
相葉くんが、似合ってるって言ってくれた…?
なんだかすごく、嬉しいかも。
いや、かもじゃなくて、嬉しい…!