工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「はは、ごめんって。」
相葉くんの睨み顔は坂口くんには通用しないみたいで、そんなふうに軽く笑って謝っている。
そのとき、滝本くんが教室へ戻ってきた。
あたしと一瞬目があったけど、すぐにそらされてしまった。
なによ…滝本くんてば。
まあ、あまり気にしてないけど…。
「…あれ、陸まだ戻ってねぇの?」
後頭部をガシガシとかきながら滝本くんはそう言った。
あ、そういえば陸くんさっきからずっといない…?
「まだ戻ってないよ。」
「あ、あの、陸くんはどこに行ったの?」
ふるふると首を振ってそう言った坂口くんに、あたしは質問した。
陸くんがいないのに気づかないなんて自分の恥ずかしさの気持ちとみんなのかっこよさにいっぱいいっぱいだった…。
「陸は着替えに行ってるんだけど…。」
着替え?
3人と別々で着替えたのかな?と、坂口くんの答えに首を傾げた。