工業高校のイケメン達に愛されて【下】



滝本くんからデコピンをくらった…。


これが、結構勢いよく弾かれて、地味に痛い。


もう、急にばかとか言うし意味わからない…。


けど、今の会話で滝本くんは少し眠気から覚めたようだ。



「ね、みんなのところに行こう。」


「…あぁ。」



あたしがそう促すと滝本くんも席を立ち、一緒に3人の元へ向かった。


文化祭開始まで_____あと10分。


なんかドキドキしてきたね、でも頑張ろうね。と坂口くんと陸くんと会話していると、何故だか少し緊張がほぐれたような気がした。


そんなあたしたちの会話をあたしのすぐ後ろで聞いていた相葉くんに視線を移すと、バチっと目が合い、控えめに優しく…微笑んでくれた。


ああ、またあたしが弱い、この笑顔。


みんなも常に笑顔であたしと接してくれていて心から楽しいのに、相葉くんの笑顔にだけは、毎回こう、胸がきゅうっと鳴る。


…それがなんでか、気付くのはもう少し先のこと。


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