工業高校のイケメン達に愛されて【下】



じゃあ、なんで嬉しかった?


…それは、考えてもわからなかった。


そこからさらに1時間…文化祭開始から1時間半経過する頃には、来店客は徐々に落ち着いてきていた。


イートイン席にはまだお客さんは結構たくさんいるけど、さっきまでの長蛇の列は無くなっている。


タピオカを買いに来る人もまちまち。


あたしは、まだ終わっているわけではないのにお客さんをさばき切った爽快感を得た感じがする。


立ち仕事って、たった1時間ちょっとでもつらいものなんだな…。


今日は足が浮腫んでしまうかも。



「緋奈ちゃん、さっきごめんね!僕、守るなんて言っておきながら…」



注文するお客さんがいなくなると、隣の陸くんが申し訳なさそうに顔の前で手を合わせた。


ウィッグのロングヘアが揺れる。


さっき…とは、集団の男子高校生が来たときのことかな?


< 145 / 337 >

この作品をシェア

pagetop