工業高校のイケメン達に愛されて【下】



メッセージでのやりとりでりりかちゃんが文化祭に来てくれると言ってくれていた。


ピンク色のテニスウェアを着てラケットを背負ったりりかちゃん。


ロングヘアのポニーテールの毛先がゆらゆらと揺れている。


部活で忙しいはずなのに、時間を割いて文化祭まで来てくれたんだ。


あたしはりりかちゃんのもとへ駆け寄った。


りりかちゃんはぱっと花が咲いたように明るい顔で、あたしをぎゅっと抱きしめてくれた。



「わぁ、緋奈めっちゃ可愛いーっ!似合ってるー!」


「えへ、ありがとうりりかちゃん!」



あたしもぎゅーっとりりかちゃんを抱きしめ返す。


ここがお店だということを忘れて、2人の世界に浸っていると。



「あの〜、緋奈ちゃん?」



陸くんがきょとんとした顔で、あたしを見て首を傾げた。


他の3人も、陸くんと同じ表情。


あたしはりりかちゃんからぱっと体を離す。


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