工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「きゃぁっ!え、横沢くん?!」
女子トイレから出るなり、横沢くんがトイレの入り口の前に立っていたから、びっくりしてしまった。
どうしてこんなところに…なにかあったのかな?
あたしは目をぱちくりさせて首を傾げた。
横沢くんはいつもどおりニコニコと笑っていて元気そうな感じで、口を開いた。
「あ、ごめんごめん!実は文化祭実行委員が急遽呼びだしあってさ。行こう。」
「え?そうなの?わかった!でもその前に、あたし午後一緒に文化祭回る約束をしてて。集まりに行ってくるって声かけてきてもいいかな?」
スマホは教室のロッカーに置きっぱなしだから、今はみんなと連絡が取れない。
いきなりいなくなってしまったら、みんなを心配させてしまうだろうし。
「…あー。こっちの集まり急ぎみたいなんだよね。ほらいこ。」
横沢くんはいつもより低い声でそういうと、あたしの手をグイッと引っ張りそのまま…歩き出した。