工業高校のイケメン達に愛されて【下】
…え。
「よ、横沢くん、待って…」
力強く腕を引っ張られ早足で前へ進んでいく横沢くんに制止をかけることができなくて。
あたしは腕を引っ張られるまま、歩くしかなくて。
あたしの腕を引く横沢くんの手が…とても冷たくてひやりとする。
そして前を歩く横沢くんの後ろ姿から、なんだかいつもと違う…殺気立ったオーラが感じられる…気がする。
な、なに…?
そして横沢くんに連れて行かれた場所は、いつも実行委員の集まる教室ではなく…廊下を歩く人すら誰もいない、空き教室。
「ま、って…横沢くんここ、空き教室…っ」
あたしの言葉を無視して、横沢くんは空き教室の扉を乱暴にガラガラっと開け、あたしを教室内に押し込んだ。
そして、横沢くんによって教室の扉はピシャッと音を立てて閉ざされた…。
あたしは横沢くんから解放された腕を、さっき脱いだメイド服の衣装を胸に抱きながらもう片方の手でぎゅっと握って抑えた。