工業高校のイケメン達に愛されて【下】
自分のことは自分で守らないと。
入学式の日も、横沢くんのことをみんなに気をつけてって言われた時も…他にも幾度となくそう思ったのに。
全然…自分のこと、守れてないじゃん。
情けない…なぁ。
…でも、あたしなんかが男の子の力に敵うわけがないし。
あたしはこのまま…横沢くんにひどいことをされてしまうんだ…。
仕方ない…のかな…うん、仕方ないよね。
けれど、嫌だぁ…。
目をつぶったまま…涙がじわりと滲んできた。
「______おいっ!!!」
「?!」
2人しかいなかったはずの教室に、違う人物の怒鳴り声。
その声に、あたしもびっくりしたけど、横沢くんもびっくりしてあたしの体を這っていた手を引っ込めた。
その人物は、この空き教室の扉に手をかけ息を切らしてこちらを睨みつけていた。
…_____嘘。
あたしはその人物を視界に捉えた瞬間、涙がぶわわっと溢れてきた。