工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「…っ…相葉くん…っ」
どうして、相葉くんが…。
助けに、来てくれた。
相葉くんはあたしたちを一瞥すると、ものすごい勢いで教室に入ってきた。
そして、あたしと横沢くんを無理やり引き剥がして、横沢くんの胸ぐらを掴んで壁に追いやった。
「おいてめぇ!!中村に何してんだよ…っ!ふざけんなっ!!」
「…っく…」
胸ぐらを掴まれている横沢くんの表情はさっきの怖いものとは違って少し苦しそうで…けど相葉くんは、そんなのお構いなし。
「こんなやり方、最低だろ…!!二度と、中村に近づくな。中村に手を出したら、俺が許さない…!」
相葉くんのその言葉に、あたしはまた涙が溢れてしまった。
相葉くんが大声を出すことは滅多にないから、横沢くんは怯んでしまっている。
「ちっ…離せ。もう、やんねぇから。」
横沢くんはそれだけ言うと、自分のシャツから相葉くんの腕をバッと離して、教室から出て行った…。