工業高校のイケメン達に愛されて【下】
ぼーっと席について考え事をしていたらいつのまにか授業が終わっていて、今は休み時間らしい。
坂口くんの呼びかけであたしは我に返って、坂口くんの方へ視線を移した。
「緋奈ちゃん、大丈夫?最近…体調でも悪い?」
「あ、ううん、そんなんじゃないの!」
眉を下げてあたしに尋ねる坂口くんに向かって、慌てて手を横に振った。
きっとみんな、最近のあたしに違和感を感じているよね。
坂口くんと陸くんと相葉くんには、滝本くんに告白されたことを話してない。
滝本くんも、言ってないと思う。
坂口くんを心配させていることに申し訳なくなってきゅっと唇を結んだ。
「なにか悩み事?俺で良ければ、話聞くけど…。緋奈ちゃんが楽になるなら。」
…そっか。
こうして心配をかけてしまうくらいなら、いっそ全て打ち明けたほうがいいんじゃない。