工業高校のイケメン達に愛されて【下】
陸くんは「わかった!」と言って、にんまり笑ってピースサインをした。
陸くんの笑顔につられてあたしも微笑んだ。
そして滝本くんと一緒に教室を出て行った。
向かった場所は校舎裏。
人通りが少ないから、落ち着いて話ができる。
あたしは、目の前に立つ滝本くんを見上げた。
滝本くんは指で頬をかいて、少し首を傾げて声を発した。
「なあ、話って…。」
「うん…文化祭の日の、ことなんだけど…。」
あたしがそう言った瞬間、滝本くんの喉仏が動いたのがわかった。
滝本くんはあたしの目を見て、あたしの言葉を待ってくれている。
ぎゅっと自分のスカートを握りしめる。
そして、なぜだか震える声を必死に振り絞った。
「あの…滝本くんの気持ちすごく嬉しかった。ありがとう。…でも、ごめんなさい。滝本くんとは、付き合えない。」