工業高校のイケメン達に愛されて【下】
俺はその女子トイレから去って校内中走り回った。
中村が怖い思いをすることだけは…絶対に嫌だ。
俺が、守りたい。
まさか女が嫌いだった俺がこんなふうに思うなんて…って一瞬考えたけどそれどころじゃなかった。
文化祭にも使われていない人の少ない棟の空き教室の扉を乱暴に開けると、横沢と…中村がいた。
横沢は中村に馬乗りになって…俺は頭に血がのぼった。
中村を横沢から解放すると、中村は涙を流したまま脱力したように床に横たわっていた。
中村を抱き起こすと、またわっと泣いて俺にありがとうと一生懸命言っていた。
俺にはもったいない言葉だと、思った。
好きな女につらい、怖い思いをさせてしまった自分に腹が立った。
震える小さな体を抱きしめた。