工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「うわ、さむ…」
気温が低くなって、日が暮れるのが早くなってきたこの頃。
家を出て遠くに視線をやると、鮮やかなオレンジ色の夕焼けが眩しいのとともに、柔らかく吹く風が冷たくて肌が少しピリッとする。
まあ、走って体があったまればなんてことないけど。
軽く準備運動をして、体をほぐす。
今日は、1時間くらい走るか。
ワイヤレスイヤホンを両耳に装着する。
ランニング用のウエストポーチから携帯型の音楽プレーヤーを取り出して、聴きたい曲を探すため操作した。
この曲から聴こう、と思って画面をタップしようとしたその瞬間。
「___翔!」
背後から俺を呼ぶ声がした。
イヤホンは装着しているけど、音は出ていないからその声ははっきり聞こえた。
俺は後ろを振り返る。