工業高校のイケメン達に愛されて【下】
ふたりきりに、なりたいなぁ。
相葉くんは後ろの席だし、話せる機会は多いのだけど…。
恥ずかしくて恥ずかしすぎて、ふたりきりになりたいなんて言えないよ。
ふと後ろの席の相葉くんの方へ体ごと向き直すと、彼は眉間に皺を寄せてテストの成績表を眺めていた。
いつものように机に突っ伏していないのが、ちょっと意外だった。
なにを難しい顔をしているのかな、あたしは首を傾げた。
「相葉くん、どうしたの?」
「…いや。今回も散々な結果だなと思って。勉強してねぇから当然だけど。」
腕を組んで、皺を寄せて怖い顔でそういった相葉くんはそこまで深刻な様子でもなかった。
多分その表情には怒っているとか悔しいとかそんな意味はなくて。
客観的に自分の結果を見つめているんだなって思った。
あたしはそんな相葉くんに、思わず笑みが溢れた。