工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「………」
「………」
作業を始めてからずっと、無言。
パチン、パチン、とホチキスで紙をとめる音だけが教室内に響く。
ふたりきりでいることに意識が集中してしまってなにを話せばいいのかわからない。
でも、ずっと沈黙なのは嫌だな…。
うーん、なにか話題、話題。
「なあ、中村。」
「え?!うん?」
なにか話さないとと思っていたところに、相葉くんが作業しながらあたしに声をかけた。
あたしは驚いてふたりの距離感にしては大きすぎる返事をしてしまった。
「お前さ、優介に告白されたのって本当?」
「えっ…」
ドキッと心臓が音を鳴らした。
…相葉くんには、そのことを言ってなかった。
陸くんや坂口くんは相談に乗ってもらったからもちろん知ってる。
告白をお断りしてしまったから、ましてや5人で過ごしている時はそんな話題にはならないし。