工業高校のイケメン達に愛されて【下】
他のクラスメイトにも特になにも言ってないから、みんな何も知らない。
3人の誰かから、相葉くんの耳に届いたのかな…。
あたしはホチキスを動かしながら、首を縦に振って頷いた。
「うん…本当だよ。」
「…そっか。」
相葉くんは、プリントに目線を下げたまま少し切ない表情をした。
えっと…。
「でも…ごめんねってお断りしたんだ。あたし…好きな人がいるから。」
「…え?」
…あっ。
好きな人いるって…言っちゃった。
言ったあとでハッと気付いて、思わず口元を押さえた。
ドキドキと心臓が高鳴る。
相葉くんの作業がとまり、あたしをきょとんとした顔で見つめている。
これはもう、後に引けない。
伝えるなら、今だ。
あたしも作業がとまってしまい、いつのまにかホチキスを机の上に置いていた。
すぅっと、軽く息を吸った。