工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「悪い、お前がそんなふうに思ってたなんてちょっと…びっくりした。」
悪い、っていうその言葉が告白の返事なのかなと思ったけど、違うみたいだ。
よく考えたら、相葉くんはあたしのことをどう思っているんだろう。
なにも考えずにただ自分の気持ちを伝えてしまったけれど。
相葉くんは、あたしから見てもわかるくらいわたわたとしていて少し意外だった。
相葉くんはどこに焦点を合わせたらいいのかがわからないのか、視線をキョロキョロと動かしたけど、一度ゆっくり瞬きをするとあたしを見つめた。
あたしも相葉くんをじっと見つめ、ふたりの視線が交わる。
相葉くんはすぅーっと息を吸って声を発した。
「俺も、好きな奴がいる。」
「え…?」
嘘…。
女の子が嫌いっていう、相葉くんが…好きな人…?
あたしはごくりと唾を飲み込んだ。