工業高校のイケメン達に愛されて【下】



あたしが隣の相葉くんを見つめると、相葉くんもこちらを向き怪訝そうな顔であたしを見つめた。



「な、なんだよ。」


「“翔”くん…?」


「…っ」



あああ、呼んじゃった…!


呼んだあとで恥ずかしくなって顔が赤くなるのがわかってあたしは両頬を手で覆った。


男の子を下の名前で呼んだのは陸くんが初めてだったけど、慣れたおかげかすっと相葉くんの名前を呼べた。


でも呼び捨てはまだ、あたしにはハードルが高いかも…。



「緋奈ちゃんかわいいっ!よくできましたっ!」


「おい陸っ、人の彼女のことかわいいとか言うんじゃねえっ」



突然相葉くんが放った“彼女”の言葉にあたしはまたぼっと顔が熱くなった。



「え?なに、翔?」


「今なんてった??」



坂口くんに、珍しく滝本くんまでニヤニヤとからかうような顔で相葉くんに耳を向けた。


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