工業高校のイケメン達に愛されて【下】
相葉くんは背を丸くして、あたしの顔に近づけるためにかがんでいるのがわかった。
か、か、顔が近い…!
あたしのことを捉える大きな瞳が、すごくすごく綺麗。
あたしは、相葉くんの手首にそっと触れた。
「…緋奈。」
「…っん」
_____一瞬だった。
相葉くんが、あたしの名前を呼んでくれたことに驚くことも喜ぶ暇もなく。
あたしの唇に彼の唇が、一瞬…本当にほんの一瞬、優しく押し当てられたから。
へ…?
い、今のって…。
相葉くん、今、あたしにキスした…?
そう自覚する頃にはとっくに、唇は離れてしまっていた。
目の前の彼は、あたしの頬に手を添えたまま、ゆでタコのように顔が真っ赤っか。
あたしは何か言わないとと思いつつも、なかなか言葉が出ない。
ど、どどど、どうしよう…っ。
「あ…うっ…」