工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「お前のおかげで今回は結構、問題解けたかも。」
「本当?よかった!」
テスト期間は、遊びに行かない代わりに翔くんと2人で勉強したんだ。
勉強が苦手な翔くんだけど、あたしの勉強に付き合ってくれた。
しかも!飲み込みが早いんだよね。
公式を教えたらすぐに応用問題まで解けちゃう。
陸くん同様、翔くん実はお勉強できるんじゃないかな?
「緋奈ちゃーん、翔ー、もしかして今日デートぉ?」
「陸くん!…うんっ。」
黒のネックウォーマーで口元が隠れている陸くんに、あたしは恥ずかしい気持ちを抑えて首を縦に振った。
そう、テストが終わったら2人で遊びに行く約束をしてたんだ。
このためにテスト頑張ったんだもん!
「いいなあ、気をつけていってきてね緋奈ちゃん。」
あたしの隣の席の坂口くんが、グレーの手袋をはめながらにこりと笑った。