工業高校のイケメン達に愛されて【下】
手を繋いで、あたしと翔くんは教室をあとにした。
…実は今日は、付き合って1ヶ月の記念日。
あっという間だった。
付き合うことになったのがもう、1ヶ月も前の出来事なんて。
テストが終わったら出かけようって約束と、記念日がたまたま重なったんだ。
そのおかげであたしはものすごーく気分がいい。
下駄箱で靴を履き替えて、あたしたちはまた手を繋ぐ。
頬がピリッと痛むほど空気は冷たいけど、翔くんの手はとてもあったかい。
彼は防寒具を何も身につけてないのに。
「…行こう。」
「うんっ!…翔くん、寒くないの?」
あたしの手を握る翔くんは、白い息を吐きながらあたしを見下ろした。
すると、握っていた手を離して指を絡ませて再びぎゅっと手を繋いだ。
…恋人繋ぎ。
「緋奈と手繋いでるから…寒くない。」
あたしの胸が、キュンって音を鳴らした。