工業高校のイケメン達に愛されて【下】
くわえたストローをはなすと、翔くんの手がぬっと伸びてきて。
あたしの唇ぎりぎりのところを親指でくいっとぬぐった。
少し、唇に親指がくにっと触れたけど。
どうやら口元についてしまってたソースが、ナプキンで拭い切れてなかったみたいだ。
…恥ずかしい。
「あ…ありがとう…。」
もじもじしながらお礼を言う。
はぐらかすように、またストローをくわえた。
翔くんは自分の指を拭ってから、そんなあたしを見て、頬杖をつきながらふわっと微笑んだ。
まだ、翔くんのこの表情には慣れないよ。
けど、このドキドキは心地よくてずっとずっと感じていたいなんて思う。
「…ったく。」
「えへへ」
「それ飲み終わったら行くか。」
「うんっ!」
そのあと、お腹を満たしたあたしたちはショッピングモール内をぐるぐるとまわった。