工業高校のイケメン達に愛されて【下】
名残惜しいけど。
まだ一緒にいたいけど。
「…送るから。」
「え…でも、翔くんのお家ここからすぐなのに…?」
「こんな暗い中、お前1人で帰らせるわけねーだろ。」
「…っ。ありがとうっ!」
そんな心配をしてくれる翔くんに、胸がきゅっとなった。
もう少し、一緒にいられるんだ。
嬉しい。
あたしたちはお互いの指を絡めて、帰り道へと歩き出した。
駅まで手を繋いだままゆっくり歩いて、たまに何か喋って。
翔くんとのこういう穏やかな時間が大好き。
電車は少し混んでて、高いつり革につかまる翔くんの腕にあたしはしがみついてた。
…つり革、届かないんだもん。
こういうときに背が高くないのを恨む。
あっという間にあたしの家の最寄り駅に着いてしまって。
「今日、すごく楽しかった!」
「俺も。」
改札を目指して歩くあたしたち。