工業高校のイケメン達に愛されて【下】
俺の質問に意外そうに目を見開いた緋奈。
なにをそんなにびっくりしてんだか。
…緋奈には、感謝しているんだ。
こんな俺と友達になってくれたこと、好きになってくれたこと。
そのおかげで俺には今…緋奈という大切な存在があるのだから。
16歳の誕生日、感謝の気持ちも込めて何か贈りたい。
「プレゼント…えっと…うーん、なんだろう…。」
考える素振りをする緋奈…まあ、無理もないか。
突然そんな質問されても、すぐには思いつかないよな。
今決めなくてもいいから、ゆっくり考えてくれ。と、そう言おうとした時。
「あっ、えっと…」
緋奈が何か思いついたようで、外していた視線を再び俺の方へ移動させた。
「いっぱい…抱きしめて、キス…してほしいな…。」
「………」
照れながら発したであろうその声は、語尾はほとんど消えかかっていた。
瞳をうるうるさせながら俺を見上げてそんなこというとか、反則…。