工業高校のイケメン達に愛されて【下】
ど、どうしたんだろう。
いきなり大きな声出して…!
あたしはスマホから耳を離して、キーンという反響音が落ち着くのを待った。
ほんの一瞬で治ったんだけど。
あたしは再び耳にスマホを当てた。
「うんっ…あのね、一緒にごはん作る約束したんだぁ。」
『…か、かわいいっ。なにそのほのぼのデート…!』
ほのぼの…なのかなぁ?
あたしは首を傾げた。
『でもそっか…お家かぁ〜。うふふ。』
りりかちゃんの声色から、なんとなくどんな表情をしているか想像できた。
恋バナをしているときの、目を細めたたくらみ顔をしていると思う。
中学生の頃、恋バナはよくしていた。
あたしは好きな人とかいなかったし恋をしたことがなかったから、みんなの話を聞いていただけなんだけど。
『お家デートだったら、いちゃいちゃし放題だねっ!緋奈!』
「へ、ええっ…?!」