工業高校のイケメン達に愛されて【下】



少し申し訳ないなと思ったが、緋奈は俺が見てわかるくらい楽しそうな様子で買い物をしていた。


だから、俺は少し安堵したんだ。


レジで俺が金を払って、たくさんの食材が詰め込まれたビニール袋を右手に提げた。


空いた左手で、緋奈の手を握る。



「翔くん、それ、重いでしょ。あたし途中で変わるね。」


「重くない。家まで俺が持つ。」



そんな重くないし…全然大したことない。


絶対に緋奈には持たせない、俺が持つ。


緋奈は、はにかみながら「ありがとう。」と言ってくれた。


このショッピングモールから俺の家は近い。


手を繋ぎながらゆっくり歩いて、5分ほどで俺の自宅に着いた。



「上がって。」


「お、お邪魔します…!」



緋奈は緊張しているのか、肩がカチコチに固まっていて上擦った声を発しながらひょこっと玄関に入った。


俺は緋奈のそんな様子に思わず笑みが溢れた。


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