工業高校のイケメン達に愛されて【下】
“友達”になるまで、俺は本当にひどいやつだった。
過去のトラウマを言い訳に冷たい態度をとって、関わろうとしなかった。
…けど緋奈は、いつも笑顔で接してくれた。
こんな俺と仲良くなりたいと…言ってくれた。
俺の過去に、涙を流して話を聞いてくれた。
緋奈が、今の俺にとって世界で一番大切な存在だ。
この先もずっと、緋奈と一緒に過ごしていたい。
緋奈は俺の胸に手を当てて、俺を見上げた。
その目は…少し潤んでいるような気がした。
「…へへっ。あたし、全然気にしてないよ。翔くんのことは、正直苦手だなと思ってたけど。入学式のときも助けてくれて、実は優しい人なんだろうなって思ってたよ。」
「………」
「前にも言ったけど、友達になれてから翔くんは優しい人なんだってわかったし、それに一緒にいてすごく落ち着くし、安心感があるの。」