工業高校のイケメン達に愛されて【下】



思わず、我慢しているか聞いたときに…翔くんははっきりと答えなかった。


それは…きっと肯定しているんだよね。


あたしも…心の準備をしよう。


ていうか、身を委ねたいとか壊して欲しいとか…意外とあたし、ヘンタイなのかな…。


あああ、そんなふうに考えちゃったの、今になって恥ずかしくなってきた…!!



「…緋奈。」


「ん?…へっ?」



自分の目の前の食べかけのケーキから、翔くんの方へ視線を移すと。


翔くんの顔の前に、フォークに乗ったあたしの一口くらいのサイズのケーキ。


こ、これって…?



「ほら。」



ずい、とあたしの口元へ差し出されたケーキ。


口を開けそれを放り込まれると、ケーキのじわりと優しい甘さが広がった。



「…っん」


「うまい?」



…美味しい。


あたしは首をコクコクと縦に振った。


< 296 / 337 >

この作品をシェア

pagetop