工業高校のイケメン達に愛されて【下】



「俺のこと、もっとドキドキさせて。」


「…へっ?」



な、な、なんて言った…?!


翔くんは軽く微笑むと、あたしの後頭部を抑えて。


指にあたしの髪を通しながら耳を甘噛みしてきた。



「ひゃあ…っ!」


「…弱すぎ。」



なんなんだろう、この感覚。


力抜けちゃいそうなくらい、クラクラする。



「早く。」



そう急かして、じっとあたしを見上げる翔くんの瞳に捕らわれて。


それに吸い込まれるように…あたしも翔くんを見つめる。


翔くんは、なにか待っているように見える。



「早く…って?」


「緋奈、キスして。」


「………っ」



もっとドキドキさせて…って。


そ、そういう…っ。


よく考えたら、いつも翔くんからキスしてもらってた。


あたしはいつも、受け身って感じ。


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