工業高校のイケメン達に愛されて【下】



少し開いた、翔くんの赤くて乾燥知らずの綺麗な唇を見つめた。


唇の色も、形も…本当に綺麗。


う、うらやましい…!


って、そうじゃなくて。


あたしから、キス…。


もらってばかりじゃダメ。


あたしからも、いっぱい翔くんに愛をあげたい。


翔くんの首に腕を回して。


恐る恐る、ゆっくり顔を近づけて。


翔くんの伏せた長いまつ毛に一瞬見惚れながら、あたしも目を閉じて。


うらやましいくらい綺麗な唇に、自分の唇を押し当てた。


一瞬で、離しちゃったけど。


唇を離すと、また二人の視線が交わる。



「………っ」



けど、あたしが恥ずかしくて直視できなくて、翔くんにぎゅうっと抱きついた。


翔くんはあたしを支えるように腰に腕を回している。


密着した体で、お互いの高い心拍音が鳴り響いた。


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