工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「今の、聞こえたよな?来るなら早く来い。」
「ま、待ってるね!」
少しぶっきらぼうな翔くんに続いて、あたしもスマホに向かって声を発した。
『ほんとっ?!やったー!ふたりならそう言ってくれると思った!!』
翔ん家に行っていいって!と電話から遠ざかった陸くんの声が聞こえる。
坂口くんと滝本くんも一緒なんだもんね。
ふたりに話しているんだろう。
『じゃあ、適当に買い物してきたから今から行くねーっ!』
「うん!気をつけてね!」
じ、準備万端なんだ…!
でも…ふふ、ありがたいなぁ。
通話が終わったスマホをぎゅっと握りながら、3人の優しさに笑みが溢れた。
けど、隣の翔くんはちょっとしかめっ面だ。
「…はあ。」
ため息までついちゃってる。
「翔くん?」
やっぱり、翔くんは嫌だったかな…?