工業高校のイケメン達に愛されて【下】



首を傾げて、翔くんを見上げた。



「…あ、いや。あいつら唐突だなと思ってさ。」


「ふふ、たしかに。」


「ほんとは、丸一日緋奈を独り占めしたかったけどさ。」


「へ…?」


「みんなで集まるのも絶対楽しいから。」


「う、うん…!」



嫌っていうわけじゃなさそうだ。


よかった。


それより今、独り占めって聞こえた…!


…翔くん、そんなふうに思ってくれてたんだ。


わあ、もう嬉し恥ずかしいよ…!


顔が熱くなるのがわかったけど、翔くんにバレないように少し俯いちゃった。


そしてはぐらかすように話題を変えた。



「そ、そうだ、陸くんたち、すぐ来そうかな?」


「そうだな…あいつら家近いし。…あ。」


「ん?」


「…ちょっと待ってろ。」


「うん?」



急にハッと思いついたような顔をした翔くんは、ソファから立ち上がってリビングを出て行ってしまった。


< 311 / 337 >

この作品をシェア

pagetop