工業高校のイケメン達に愛されて【下】



「う、うん…!」



そうだ、ずっと掛けててって言われたんだ…!


おかげさまで足元はぽかぽかだ。



「今日の主役は緋奈ちゃんだもんねー。ブランケットあったかそうだね。」


「えへ、これは翔くんに貸してもらったんだ!」


「へー!翔にしては気が利くね。本人に言ったら怒りそうだけど。」



にやり、と坂口くんが笑った。


翔くんは、いつも気遣ってくれて優しいんだけどね。



「ふふっ、翔くんは優しいんだぁ。」


「そっかあ。よかったよかった。」



どこか安心したような優しい表情をした坂口くんに、あたしも柔らかく笑った。



「持ってきたーっ!優介、お皿とフォーク!」


「うい。」



陸くんから受け取ったお皿とフォークを、滝本くんがローテーブルに並べる。


翔くんが持っている大きめの白い箱が、まるで主役のようにローテーブルの真ん中に置かれる。


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