工業高校のイケメン達に愛されて【下】



興奮気味に翔くんを小突いている陸くんに、坂口くんも滝本くんも笑った。


わ、笑っていいのかな…?!


でも、大丈夫か。


仲良しの4人だもんね。



「ほんと、緋奈ちゃんにあまあまだよなぁ。翔がここまで変わるなんてな。」


「緋奈お前、よかったな。」



しみじみとした様子の坂口くんとどこか切なそうにふわりと微笑む滝本くんに、あたしは胸がきゅうっとなった。



「…へへ、うん。」



「…それはそうと。翔。」


「…なんだよ、優介。」



陸くんと取っ組み合いをしている翔くんが、ぴたりと止まって怪訝そうに滝本くんに視線を移した。


すると、坂口くんが楽しそうに翔くんに右手を差し出した。



「翔のも見せてよ、スマホケース。」


「は、はあ?なんでわざわざお前らに。」


「そーだそーだっ!見せろ〜!」


「陸うるせぇ!」


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