工業高校のイケメン達に愛されて【下】
佐々木くんの意見に、すかさず滝本くんがつっこむ。
うーん、確かにコスプレって衣装の用意が大変そうだよね…。
「そっ、それは…」
提案した佐々木くん本人もどうやらそこまで考えてなかったらしく、困った表情を浮かべた。
すると、あたしの隣に立っている横沢くんがひらめいたように口を開いた。
「あっ!衣装なら俺に任せてよ!」
「え…横沢くん?」
任せて!というようにどんっと胸に拳を当てた横沢くんに、佐々木くんは控えめに首を傾げた。
「確か、俺の父ちゃんの知り合いに貸衣装屋さんがいるんだ。お願いして頼んでみるよ!せっかくだし、他のクラスと被らないようなビッグな出し物やろうぜ!!」
ポジティブな発言でニカッと白い歯を見せて笑う横沢くんは、どこまでもムードメーカーだ。
「あっ、よ、横沢くん、ありがとう…。」
困った表情をしていた佐々木くんも、横沢くんを見て少し笑った。