工業高校のイケメン達に愛されて【下】
あたしたち以外に廊下にいる人はいなくて、2人並んで歩いて下駄箱へ向かった。
階段を降りようとしたところで、横沢くんが口を開いた。
「あ、そうだ中村さんのこと、緋奈ちゃんって呼んでもいいかな!?」
「へっ?うん、いいよ?」
「っしゃ!ずっと名前かわいいなって思っててさ、席も隣だしこれから文化祭の仕事も一緒にやるし、緋奈ちゃんって呼ばせてもらうわ!」
「ええ、そうかな?ありがとう…。」
面と向かって名前がかわいいって褒めてくれるなんて、横沢くんは正直だなあ。
…あたしは、横沢くんのままで呼ばせてもらうけどね。
「そういえば横沢くんってサッカー部だったよね?これから部活に行くの?」
ローファーへ履き替え外へ出たところで、そういえば、と気付いて横沢くんに問いかけた。
「あー、今日は面倒だからこのまま帰る!そこまで力入れて真剣にやってるわけじゃないし。」