工業高校のイケメン達に愛されて【下】
自分の腕を掴んでいる滝本くんの手を、もう片方の腕でぐっと引っ張った。
そうすると、やっと滝本くんが止まってくれた。
あたしに背を向けていた滝本くんが、腕を掴んだままゆっくりと、あたしの方へ振り返った。
さっきの怒ったような怖い表情ではなくなっていた。
だからあたしも少し安心して、口を開いた。
「滝本くん、足速いよ…っ」
「…あぁ、わりぃ…。」
「ていうか滝本くん、どうして学校に残っていたの?今日一緒に帰る約束なんてしてないよね…?」
「……。お前が、横沢に変なことされてないか心配だった。」
「…え?」
変なこと…って、なにかな…?
滝本くんがそう言っている意味が分からなくて、首を傾げた。
「あいつがお前に近づこうとしてんのがわかるんだよ。そんなの…俺が嫌なんだ。」
横沢くんが、あたしに近づこうとしてるって…?
さっきから滝本くんの言葉がよくわからない…あたし、理解力がないのかな…?
それは、どういう____…