工業高校のイケメン達に愛されて【下】
「緋奈ちゃーんっ!」
「あ、横沢くん。お疲れ様。」
椅子から立ち上がると、文化祭準備の指揮をとっていた横沢くんが笑顔で手を振りこちらへ駆け寄ってきた。
頭にヘアバンド代わりにタオルを巻いて、Tシャツの袖を肩までまくっている横沢くんは、人一倍やる気のある子に見える。
そして文化祭のパンフレットを丸めて片手に握っているその姿は、どこか監督みたい。
横沢くんは、隣にいる相葉くんの存在に気づいてそちらへ視線を移した。
気のせいかな、笑顔が…消えた気がする。
対して相葉くんもムッとした表情だ。
「あれ?相葉は緋奈ちゃんの作業手伝ってたの???」
「…そーだけど。」
「ふーん。それより緋奈ちゃんさ、実行委員の集まりもう前日までないし、放課後残ってちょっと作業しようと思うんだけど時間大丈夫??」