工業高校のイケメン達に愛されて【下】



いつも笑っている横沢くんからは想像もできないほど怖い顔で、あたしはビクッと肩を震わせた。


い、嫌だな…喧嘩とかは、してほしくない。


だけど横沢くんのその表情は一瞬で消え、すぐいつも通りの表情に戻った…。



「はーっ、じゃあやっぱり俺は残ってセット作り進めてようかな。緋奈ちゃんに買い出しは任せた!」


「え…あ、うん、お願いします!」



な、なんか急に任せられた…。


横沢くんは、きっと最初は実行委員だから、2人で責任持って買い出しにも行こうとしてくれたんだろう。


でも、横沢くんは人に指示をするのが上手だからセット作りを進めていてくれた方が効率がいいかも。



「中村、早く行くぞ。」


「あ…待って!」



あたしはまだ帰る準備もしていないのに…相葉くんはもうスクバを肩にかけて教室を出ようとしている。


慌てて机の中にしまっておいた教科書を数冊、スクバに詰め込んだ。


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