工業高校のイケメン達に愛されて【下】
早足で教室から出ると、相葉くんは無表情でスクバを肩にかけてポケットに手を突っ込んで、壁にもたれかかっていた。
あたしが準備するの遅かったから、怒らせちゃったかな…?
これから一緒に買い物に行くんだし、重い空気だけは避けたい。
「相葉くん…ごめんね待たせて。」
「あ、いや、気にしてねえ。行くか。」
なんて、さらっと無表情のまま相葉くんは答えた。
あ、あれ、怒ってない…?
「あ、うん!」
意外な相葉くんの反応に驚いたけど、歩き出した相葉くんの後ろを小走りで追いかけた。
少し先を歩いていた相葉くんに追いついて、隣に並んで廊下を歩く。
相葉くんは隣にいるあたしをチラッと見下ろして、口を開いた。
「…むしろ、俺が急かして悪かった。早く2人きりになりたくて。」
「…え?」
い、今なんて…?
あたしは思わず相葉くんを2度見上げた。