工業高校のイケメン達に愛されて【下】



「着いた〜!あそこのお店だよ、相葉くん!」


「おう。」



あたしは目的地の文房具屋さんを指差して相葉くんの方を見た。


駅ビルの一階に入っている文房具屋さんで、一見こぢんまりしてそうに見えるんだけど、中に入ると結構広いんだ。


文房具屋さんに行けるのが楽しみで、あたしはるんるん気分でお店の入り口に向かおうとした。


すると、相葉くんが突然あたしの腕をグイっと引いて自分の方へ引き寄せたのだ。



「…___あ、中村危ない。」


「わっ!」



あたしはビックリして声を上げた。


その瞬間、あたしの目の前をサラリーマンの男性が通り過ぎていった。


あ…あの人とぶつかりそうになっちゃったんだ…。



「ご、ごめん…!」


「いいけど。ぶつかったりしたら危ないからほんと気をつけろよ。」



あたしってば…本当バカ。


これじゃあ相葉くんに呆れられちゃう。


もっと周りを見て行動しないと…。


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