終わりにした夫婦
···二人で映画
それからは、片山さんから
電話をもらったり
メールやライン
休みがあえば、
買い物したり
映画をみたり
ドライブしたり
そんな日々を過ごしていた。
GOEMONのシフトにも
入っていたので、
中々会えなかったが
片山さんは、嫌な顔もしないで
私にあわせてくれた。
申し訳ない気持ちはあったが、
片山さんに大切にされてると思えて、
それがまた嬉しかった。
今日は、久しぶりに
二人の休みがあって
映画を観に来ていた。
片山さんも案件が入っていて
ここひと月は
電話とラインだけだったから
なんだか、恥ずかしい‥‥ような‥‥
あっ、ライン‥‥
« 着きました »
片山さんが、下のエントランスに
ついたと連絡来て
私も慌てて下におりた。
エレベーターが開くと
片山さんが、優しい顔をして
待ち受けてくれて
こちらも嬉しくなる。
同じマンションに住んでいるが
時間があわないときは
お互いの負担にならないように
していた。
「さあ、行きましょうか。」
「はい。」
と、答えると
彼は空かさず手を出してくるから
そっとその上に自分の手を添える
すると、彼はぎゅっと
手を握り返してくる。
私の顔を嬉しそうにみながら
それが····私も····嬉しかった。
今日は、二人で観てみたいと
話していた映画を観る。
楽しみで、色々話ながら
映画館へと向かう。
沢山······笑って
沢山·····泣いて
の、映画に
「亜子さんの顔を見ていた方が
面白かったよ。」
「ええっ、羽叶さん
ちゃんと、観てました?」
「うん、まあね。」
「もぅ·····恥ずかしい。」
と、話ながら手を繋いで
少し遅いランチへ行く。
二人でカフェテリアに行き
食事をしながら
映画の話や仕事の話をする。
社長の青山さんや葵さんの事を
知っているから
時々、突っ込みをいれたり
二人で楽しく食事をした。
それから、
ウィンドウショッピングをしながら
歩いていると
彼が、突然立ち止まり
彼が見ている方へ顔を向けて
······びっくり·····
‥‥‥‥ウェディング‥‥ドレス‥‥
羽叶さんが‥‥‥
「亜子さんが着たとこがみたいな。」
「‥‥‥‥‥‥」
何も答えない私に
はっと、したのか
私の顔を覗きこむ羽叶さん。
私の顔が真っ赤になっていたから
羽叶さんも赤くして
「‥‥‥すみません‥‥」
と、言い····ながら·····
二人で立ち止まって
そのドレスを見て·····
「「‥‥‥綺麗‥‥‥」」
どのくらい‥‥見ていたのか
羽叶さんにそっと手を引かれて
その場を離れた。
二人とも無言のまま歩き
河川敷のベンチに腰かけた。
夕暮れになり‥‥あちらこちらに
灯りが点り、それが川に映り
キラキラしていた。