終わりにした夫婦

···結婚を前提に


「さっきは、急に立ち止まってしまい
      すみません。」
「あっ、いえ。
でも、本当に綺麗でしたね。」
「うん、でも、僕は‥‥
  亜子さんが着たら綺麗だろうな
  と、思ったの‥‥だけど‥」
「うふっ、私は若くないし
似合いませんよ。
でも、そう思ってくれて
ありがとうございます。」
「そんなことない!
亜子さんは、美しい。」
「‥‥‥ありがとう‥‥ございます‥」
「‥‥あ~あ、やってしまった。
すみません、大きな声で。
あの‥‥‥
改めまして、西森 亜子さん
僕と結婚を前提にお付き合いを
していただけませんか?」
「‥‥‥‥‥」
「‥‥やはり‥‥重い‥ですか‥?‥」
「‥えっ、いえっ、すみません。
そうではなくて‥‥
私は、一度結婚を失敗しています。
片山さんなら、きっと素晴らしい方が
現れると思います。」
「それは、私が嫌いだから
断りの為の言葉ですか?」
「ちっ、違います。
片山さんが、嫌いなわけありません。
嫌いなら、お誘いもお断りしています。
ただ、片山さんみたいに素敵な人が
私には、もったいないと
思ったから。」
「私は、亜子さんだから
結婚したいのです。
他の誰か、とか、考えられない。」
「‥‥ありがとうございます。
私で良ければ、羽叶さんの
隣に置いてください。」
「‥‥‥うそっ‥‥ほんとっ
  ···まじでっ‥‥良かった‥‥
 ·····本当に·····良かった‥‥」
と、言ってガッツポーズをする彼に
クスクスっ、笑っている·····と

ガバッと、羽叶さんに抱きしめられて
耳元で
「ありがとう。必ず幸せにする。
僕を選んでくれたことに
後悔されないように。」
と、言われて
羽叶さんの背中に手を回して
「はい。二人で幸せになりましょうね。」
と、言うと
顎をあげられて
そっと唇にキスをされた。

離れては、角度を変えて
何度もキスをされ
そのまま抱きしめられた。

「やっと···やっと·····触れられた。」
と、言う羽叶さんに
恥ずかしくて、羽叶さんの胸で
顔を隠した。
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