終わりにした夫婦

···二度と会うつもりは


「お義父さん、
今日はありがとうございました。」
「柊くん、結婚おめでとう。
   呼んでもらえて嬉しかった。」
「当たり前でしょ。」
と、柊は、眩しいくらいの笑顔を
彼に送った。

私は、柊を見て微笑み
彼の元へ
彼は、私の顔を見て
照れ笑いをしながら
目には光ものがあった。

私は、そんな彼の腕にそっと触れる。

彼は私の手を自分の手で覆い
ポンポンとしてから手に力をいれたが
その手は、微かにふるえていた。

私達は、ひと月前に
入籍をしたばかりだった。

私は、もう彼とは二度と合うことなない
と、そう·····思っていたのに····

子供達が、彼に力を貸したようで
私は、再び彼と合うことになった。

私は、嫌いで彼と
お別れしたわけではない。

ただ····彼には·····

決して私では太刀打ちできない····
強く固い絆の女性が····いただけ·····

私は、家族以外に
何か····や····
誰か·····を·····
大切にする人と
やっていくつもりはなかった。

二度と傷つくのは····
   嫌だった·····から·····

彼は、私と彼女が
同じ時に危機にあったら·····と
想像して·····考えこんで······
自分自身で気がついたようだ。

私の······言った意味が·····
ようやく····理解できた·····ようだ·····

あの時、私は彼を置き
その場を離れた。

もう····彼と関わる事は····

二度とない··と····

自分の気持ちに

 かっちり····蓋を閉めて·····


········なのに·····


子供達が彼を心配して
彼と会ったり·····
彼の両親に会いに···いったり····
していたみたいだ。

そこに·········

『ピアニスト・ERIKO結婚』

〖erico〗を長年支え続けた
〖マネージャーのアーロン〗氏と
この度、結婚が決まった。
と、報じられた。


私は、全く知らなかったが
子供達は、彼から事情を聞いていて
直ぐに連絡を取り合ったらしい。
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