終わりにした夫婦

···正基②


リビングに戻り
亜子の携帯に電話をかけた。

だが・・・機械音がなるだけ
間違ったのか?
違うのか?と何度もかけ直すが
亜子が出ることはなかった。

今までも、亜子の携帯に電話を
かけたことなど
ほとんどない。

亜子からも、
数えるくらいしかない。
会社の時や会社の行事の時に
携帯がなる事を極端に
俺が嫌がるからだろうが。

夜まで待って長男に連絡をした。

長男にも初めて電話した。
「どうしたのですか?電話なんて。」
「ああ、豪か?母さんから連絡ないか?」
「えっ、お母さん?
お母さんが、どうしたのですか?」
「いや、家に居なくて
それに・・
母さんの部屋に、
母さんのものが何もないんだ。」
「会社帰りに行きますから
      家に居て下さい。」
と、言われて
「わかった。」
と、言うしかない・・・

俺は、亜子の友人の事も
日頃どう過ごしているかも
なにも知らない
だから、待つしかなかった。
< 6 / 51 >

この作品をシェア

pagetop