終わりにした夫婦
···豪③
俺は···
「俺達は、母さんから聞いていました。
俺達も母さんの離婚には
異論はありません。
母さんは、ずっと、ずっと
自分の自由な時間もとらずに
俺達の為に生きてくれた
それに、あなたは知らないだろうけど
両家の両親の事も心配して
定期的に必ず顔を出しては
話をしたり、
手伝いをしたりしていたんだ。
確かに、あなたが働いていたから
生活にも問題なく過ごせていた。
だけど、父親として夫としては
どうなんですか?
働きながら、家庭を大切にしている
父親や夫は世の中に沢山いると
思います。
俺からは、以上です。
『離婚届は、記入したら
弁護士事務所に連絡して下さい。
そのくらい、頼んでも良いですよね。』
と、母さんが言ってましたよ。
後の事は、その紙に記載通りです。」
と、話して俺は立ち上がり
玄関に向かう。
「あっ、会社定年、お疲れ様でした。」
と、言って玄関をでた。
外に出て、母さんに電話して
菫と柊にラインした。
両家のおばあちゃんにも連絡した。
父の方の、おばあちゃんは、
父に呆れていたが
「後で、父に連絡する。」
と、言った。
これも母が、父の母親に
お願いしていたことだった。