心の中に奏でる、永遠の向日葵


俺は向日葵と出会った直後から、向日葵の明るくてポジティブな性格を知ってるから、向日葵が盲目とかいつも忘れてしまう。


でも、やっぱり盲目に限らず、障がい者を見ると、ああいう態度をしてしまうのは、頷けてしまう自分がどこかにいた。
 

でも…。
 

向日葵は、この前一緒に弾いた『メリーさんのひつじ』を、鼻歌で口ずさんでいる。
 

俺は、ぎゅっと手を握ると、向日葵の横にぴったりとくっついて歩く。
 

「…俺も、一緒に軽蔑されるよ」
 

向日葵は目を瞑って唇を噛むと、くすっと笑った。
 

「日向君は、変わった人だね」
 

俺も小さく笑う。それ以上はお互いに口を利かず、無言で歩いていく。
 

向日葵について行き、かなりの道を曲がったり、暗い道に入ったりした。
 

向日葵は目が見えていないはずなのに、よくこんな複雑な道を覚えられたな。

きっと、よく行く所なんだろう。
 

それにしても…。
 

向日葵は、小さいころからああいう視線に耐え続けていたのだろうか。
 

みんな、軽蔑はしないって表では言っていても、いざとなったら差別はしてしまう。


そして、向日葵のような人にとって、生きにくい世の中になっていく。



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