心の中に奏でる、永遠の向日葵
仲良くしない方がいい?一体、どういう意味なんだ?
何か向日葵の性格に問題があるのか?いや、それは絶対にない。
じゃあ、あの男の子にとって、何か不都合でもあるのだろうか?
…いやいや、知らない男の子の、何の根拠もない忠告を、ここまで気にする必要なんてない。
それどころか、どんどん深入りしてけばしていくほど、向日葵と接しにくくなってしまうだろうし、忘れるのが最適な選択肢だ。
「よ、向日葵…」
俺は、教室に入って、向日葵を呼ぼうとした。
しかし、途中で言葉を止めてしまった。慌てて、自分の身を壁に隠す。
向日葵の顔は後ろを向いてて見えなかったが、淀野先生があまりにも深刻な顔で、向日葵と何かを話していたからだ。
本当に深刻そうに。まるで。この世の終わりみたいに。
「…そう、ですよね…」
微かに聞こえたのは、涙交じりの向日葵の声。
どうしたんだ?なんで、二人して、そんな…。
『向日葵さんとは、仲良くしない方がいいです』
こういう事なのか?向日葵には、深刻な悩みでもあるのか?
それで、俺も仲良くしちゃいけな…い?
「こ、こんにちは、向日葵!」
悪い方に考えたくなかった。
それ以上、二人の不安を感じさせる声を聞きたくなくて、俺がついさっき来たことを伝えるように、わざとらしく大きな声を出して教室に入る。